RAISING MY VOICE 008

    2010.03.05 Friday
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     私が生まれて間もなく、私の家族はイランとの国境にある同じ州のFarah市に引越しをした。そこは、旱魃と暴風の被害で貧しくてまばらにしか人が住んでいない地区である。州一帯で50万人しか住んでいなく、Farah市の周辺地域ではそのうちの5万人が暮らしている。今日、Farahは首都Kabulからはほとんど見えなくそして忘れ去られている。しかしHeratやKandaharといった古い町の間の道路に沿った広い河川流域に偉大な軍隊たちが殺到した時代もあった。ペルシャのダリウス祇いかつてここを統治していた。異教徒の城として知られているアレキサンダー皇帝が建てた泥レンガで出来た要塞の遺跡は、Farahの山影の中に今もそびえている。追って、チンギスハンはアフガニスタンに進軍しFarahを略奪した。さらに最近、イギリス帝国はソビエトがしたようにアフガニスタンを吸収しようとした。そして今はアメリカ人とヨーロッパの同盟国である。アフガニスタンはいつも勝利への道となっていた。何故ならインドとロシア、ペルシャと中国の間に位置する中央アジアの交差点として戦略上重要な位置を占めていたからである。アフリカに聡明な諺がある。「象が闘うとき、傷つくのは草だ。」アフガニスタンはその草だった。しかしずっと踏みつけられたままでは決してない。全てのアフガニスタン人の心臓は自由へ思い焦がれ、鼓動を刻んでいる。そして私たちはついに外国の占領者を追い払ったのだ。アメリカ合衆国政府が我々を解放するという名目で我々の村に爆弾の雨を降らすことを考えているかもしれないのは、結構なことである。

     すでに述べたが、私はあなた方に私の両親や身内の本当の名前を告げることはできない。何故なら私の率直な政治的活動が私の全ての家族を危険にさらすことになるからだ。しかし、私の父は民主主義を信じる教育を受けた人物であるということは告げることができる。彼は大学に進み、Kabul大学で医師を目指し勉強をした。しかし彼の政治的活動への関わりと、1979年のソビエト侵攻による迫害は、医学的実践への機会を決して得ることができなかったことを意味した。



    RAISING MY VOICE 007

      2010.03.03 Wednesday
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      CHAPTER 1
      THE ROAD FRON FARAH

       私は1978年4月25日に、西アフガニスタンの山々が連なるAnardara地方のZikenという小さな村で生まれた。三日後のソビエト介入のクーデターが、私たちの生き方を永遠に変えた。一年以内に私たちは占領された国となり、そしてその時以来、戦争が全てであるとアフガニスタン人は知ったのだ。

       私は10人の子供の中の二番目であり、7人の娘の中では一番上であった。私の家族はかなりの貧困に苦しんだが、決して不足しなかった唯一の必需品は愛であった。しかし私たちはしばしば恐怖におののきながら暮らしていた。私の一番幼い頃の記憶のひとつは、警察官が私の父を捜し求めて家を捜索している間、母の足にしがみついていたことだ。彼らは手がかりを探して、引き出しやスーツケースの中身を全て空っぽにしながら、マットレスや枕を引き裂きながら、上へ下へと場所を変えた。しかし私の母もまた、彼が何処にいるのかわからなかった。彼はソビエト侵攻に対して、ムジャヒディーンと一緒に闘った時、片方の足を失った。その時彼はアフガニスタンを捨てなければならなかった。私の家族は、彼がイランで亡命者として生きていると思ったが、しかし、何ヶ月も彼の噂を聞いたものは誰もいなかった。すでに、近所の人たちは私の母のことを未亡人と呼んでいた。私の祖父は希望を見失ってはいけないと母に言っていたが、しかし私の父が生きているのか死んでいるのか彼らは本当にわからなかった。



      RAISING MY VOICE 006

        2010.03.02 Tuesday
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         アメリカ合衆国の新大統領選挙期間中、バラク・オバマはアフガニスタンへの数万以上の軍隊の派兵については語ったが、私の国を破壊している汚職と軍事指導者的主義との二つの疫病については公言することはなかった。オバマの当選は合衆国の平和愛好者には大きな期待をもたらしたことは知っている。しかし、アフガンニスタン人にとってオバマの軍事増強は、タリバンとアルカイダを弱めることさえしないかもしれないが、無実の民間人にはさらなる苦しみと死をもたらすだけであるだろう。この本の教訓がオバマ大統領とワシントンの政策立案者に届くことを私は期待する。そして残忍な占領と、軍事的指導者や麻薬売人元締めたちに対する支援をアフガニスタンの人々は拒否するということをこの本が警告することを期待する。

         アフガニスタンでは、民主主義的な考えをする人々は数十年間、人権と女性の権利について奮闘してきた。我々の歴史は、これらの価値は外国の軍隊によって押し付けられることは不可能であることを証明している。私は私の支持者に語ることに決してつかれることはないし、どの国も他の国に解放を捧げることはできない。これらの価値は国民自ら戦い、そして勝ち取らなければならない。自らの土地に自からの手によって植えられ、自らの血と涙がまかれた時にこそ、彼らは成長し繁茂することができるのだ。

         アフガニスタンには、私の心にとってとても大切な諺がある。「真実は太陽のようである。それが昇ると誰も締め出したり隠したりすることはできない。」あなたがこれを何処で読んでいようとも、太陽が輝き続け、そしてあなたを元気付け、平和と正義と民主主義のために働きかけることを、この本と私の物語が、微力ではあるが、手助けすることを願っている。

        Malalai Joya



        RAISING MY VOICE 005

          2010.03.01 Monday
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           しかしアフガニスタンは、イギリス帝国からソビエト帝国、現在はアメリカとその同盟国などの超大国間の「グレートゲーム」の命懸けの遊び場として、長い間使われてきた。彼らはアフガニスタンを分断することによって統治することを試みてきた。彼らは、私たちを恐ろしく悲惨なめに陥れた悪党や原理主義者や軍事的指導者たちに金と権力を与えた。私たちは誤用されたり、誤って伝えられたりするのは望んでいない。私たちは世界中から警備と友人の手助けが必要だが、この終わりなきアメリカ主導のテロ戦争-実際にはアフガニスタン人に対する戦争-はいらない。アフガニスタンの人々はテロリストではなくテロの犠牲者なのだ。今日、アフガニスタンの国土は、地雷、銃弾、爆弾で溢れている、私たちが本当に必要なものは、病院や診療所そして少年少女のための学校であるにもかかわらず。

           私はまた、この自叙伝を書くのは気が進まない。何故ならアフガニスタンの歴史の中の隠れたヒーローやヒロインである迫害されてきた多くの民主的な活動家たちについてまずは書かれるべきだと私はいつも思っているからだ。国際的な人権団体から最近私が頂いたいくつかの賞についても、同じことを感じている。私より以前に生まれた英雄たちに正当な資格があるのだ。それは高く評価されるべき栄誉である、しかし、私に尽くされた愛や援助は、アフガニスタンの孤児や未亡人たちに与えられることができたらと、私はただただ願う。私にとって、賞や名誉は私の国の全ての人々にふさわしく、私が受け取ったそれぞれの功績は我々平民の苦闘への私の責任感に加算される。このために、この本の収益の全ては、アフガニスタンの緊急に必要とされる人道主義プロジェクトやよりよい生活へ変革する目的のための援助として費やしていきたい。

           私がこのような言葉を書いている間にも、アフガニスタンの状況は次第に悪くなっている。そしてそれは女性たちだけでなく、全てのアフガニスタン人にとってである。私たちは二つの敵の間に捕らえられた。一方はタリバンであり、もう一方はUS/NATO軍隊と彼らの軍事的指導者の友人たちである。そして私たちの国の暗黒心をもった軍隊は増強してきている、それは市民を殺す全ての連合軍の空爆とともに、また、賄賂と窃盗で肥った腐敗した政府の全ての役人たちとともに、また、裁判から逃れている全ての犯罪者たちとともにである。




          RAISING MY VOICE 004

            2010.02.27 Saturday
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             数年間、私の支援者たちは私の人生についての本を書くことを勧めてきた。私自身について書くことは気楽なことではないので、私はいつも断り続けてきた。私自身の物語は重要ではないと思うのだ。しかし、私の友人たちはついに私を説得し、私の国の戦争世代の一員としての観点からアフガニスタンの人々の苦境について語るひとつの方法として、この本にむかうことになった。非道な悪政の過去三十年間に焦点を当てたアフガニスタンの政治的な歴史を語るひとつの手段として、私の個人的な経験を使用することに同意したのだ。私の州の貧しい人々の代表となることになった危険な政治運動、国会議員として耐えてきた肉体的、言語的攻撃、選任された地位から追放しようとする邪で非合法な陰謀、それら全ては、アフガニスタンが本当の民主主義になることを妨害する汚職や不正を明らかにしようとしている。このようにして、単に私だけの物語ではなく、私と共に闘う人々の物語であるのだ。

             多くの書物は9.11の悲劇の後のアフガニスタンについて書かれている。しかし、それらは過去のアフガニスタンの完全で写実的な写真としてはほんの数枚を提供しているだけである。それらのほとんどはタリバン政権の狂気と不正を深く掘り下げて描写しているが、1992年から1996年の間のムジャヒディンの原理主義の支配下における時代は私たちのもっとも暗い歴史のひとつであるので、普通は見ないふりや隠そうとする。カルザイ政権を支配している軍事的指導者たちが犯した残虐行為に対しての注意をこの本がひきつけることを私は期待している。

             またこの本がアフガニスタンについて恐ろしいほどの量の間違った情報が正すのも期待している。アフガニスタン人は時折テロリスト、罪人やその取巻きに過ぎないような時代遅れの民族としての典型とされている。このような間違ったイメージは、私の国と西側の両方の未来にとってかなり危険である。アフガニスタン人は、豊かな文化と誇り高き歴史をもった勇敢で自由を愛する人たちであるというのが真実である。私たちは私たちの独立を擁護し、自らの手で統治し、そして自らの手で未来を決定する可能性がある。



             


            RAISING MY VOICE 003

              2010.02.27 Saturday
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               私が地下活動家として働いている時、タリバンの時代は偽名として自分のことをJoyaと呼んだ。Joyaという名前は私の国では偉大な意義がある名前だ。Sarwar Joyaは20世紀初頭にアフガニスタンの作家であり、詩人であり、そして不正行為に取り組む憲法学者であった。彼は彼の民主主義の信念を曲げなかったために、24年近く刑務所で過ごし、そして殺された。

               私は軍事指導者や原理主義者たちへの敵意を緩めるたり、彼らを告発する演説を和らげたりすることを拒否したので、その時、自由の為に死んでいったアフガニスタン人の長い名簿の中のJoyaに、私もまた加えられるかもしれないと思った。しかし、あなたは真実を曲げることは出来ない。そしてもしそれが正義を進める目的となるならば私は早すぎる死を恐れない。墓場でさえ私の声を沈めることはできない。何故なら私に続く人たちがいるからだ。

               アフガニスタンでは、女性を殺すことは、まるで小鳥を殺すのと同じだという悲しい現実がある。合衆国はアフガン女性の自由化というレトリックを使って占領を正当化しようとして。しかし私たちは依然として、正義に近づくこともなしに国に監禁されたままで、女性蔑視の犯罪者たちに縛られたままである。原理主義者たちは「女は自分の家、あるいは墓の中にいるべきだ。」と相変わらず説教している。ほとんどの場所では、女性にとって覆いのない公衆の場所にあらわれることや、身内の男性の付き添いなしで町を歩くことは、依然として安全ではない。少女たちはいまだに結婚で売られていく。レイプは処罰されることもなく日々行われている。

               アフガニスタンの男性と女性にとって私たちの人生は短く、そして暴力と喪失と苦痛によってしばしば破滅させられる。ここでの予想余命は、西側で中年と呼ばれる世代の45年よりも短い。私たちは絶望的な貧困の中で生きている。アフガニスタン人の70パーセントといった信じ難いほどの人々が、一日2ドル以下で暮らしているのだ。そしてアフガン男性の半分以上と女性の80パーセントが読み書きが出来ないと推定される。二、三年前、何百と言う女性が焼身自殺をした。文字通り死ぬために自らを焼いたのだ、彼女らの苦難から逃げるために。

               これは私が生き抜いてきた歴史である。そして多くの人たちと共に変革しようと働き続けている今日の悲惨な現状である。私の情況が周りの苦しんでいる人の誰よりもよいというわけではない。歴史と運命はいくつかの方法で、戦争と不法を長年を耐え続けてきた何千何万のアフガニスタン人の「声なき声」を私に知らしめたのだ。








              RAISING MY VOICE 002

                2010.02.27 Saturday
              0
                 
                 あなたはこれを聞くとショックを受けるかもしれない。何故なら、合衆国とNATO同盟国によって、アフガニスタンの真実は、注意深く作りあげられた言葉やイメージの偽装の後ろに隠され、西側メディアによって疑問を挟む余地もなく繰り返し報道されてきたからだ。

                 かつてタリバンは権力の座から追いやられ、正義が私の国に戻ったと信じるようにあなたは導かれてきたのかもしれない。合衆国がアフガニスタンへ民主主義と女性の権利をもたらした証拠として、政権に投票し立候補する私のようなアフガン女性は擁護されてきた。しかし、それは全部嘘だ。世界中の目を欺いている。

                 私はアフガン国会の一番若いメンバーだ。しかし、議会から追放され死を持って脅されている。何故ならカルザイの傀儡政権における軍事的指導者と犯罪者たちについての真実を私が語ったからだ。少なくとも5回の暗殺未遂と数え切れない陰謀から、私は生き延びてきた。そのために私は自分の国の中で亡命者ののように生きざるを得ない。とある信頼できる伯父が私の護衛についての詳細を指揮し、そして私たちは敵の手段を食い止めるために毎夜違う家に移動をしている。

                 私の正体を隠すために、私は重いブルカを着て旅行しなければならない。私にとっては死者を包む白布のような、女性虐待のシンボルであるそれを着て。タリバンの暗い時代でさえ、少なくとも少女たちに秘密の授業をするためにブルカを着て外出をすることができた。しかし今日、武装した護衛が私についたとしても、ブルカを着ても安全だとは思えなくなってきた。私への訪問者は武器を調べられ、私の結婚式に届く花でさえ爆弾がしかけられていないかチェックされなければならなかった。私は読者に家族の名前や夫の名前を告げることはできない。何故なら恐ろしく危険なことになるからだ。そしてそのために、私はこの本の中で、いくつかのほかの名前に変えている。








                RAISING MY VOICE 001

                  2010.02.27 Saturday
                0

                  ノーベル平和賞を受賞してもおかしくないアフガニスタンの活動家マラライ・ジョアさんのことを知りたくてネットや書物を検索しても、日本ではまだ充分な情報はほとんどない。彼女の自伝は出版されているものの、まだ日本語にはなっていない。なので、無謀ながらも横文字の本を生まれて初めて購入して、日本語訳を試みている。英語なんて大学の受験勉強以来で、辞書を片手に五十の手習いをやっているのだ。変な日本語や間違った訳など多々あると思うが、そんな場合はどうか指摘して頂ければ有難い。



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                  MALALAI JOYA
                  RAISING MY VOICE

                  序章

                  「DUST IN THE EYES  OF THE WORLD」

                   私はアフガニスタンと呼ばれる悲劇の国の出身である。私はいくつかの数奇な運命を辿ってきたが、いろんな意味で私の物語は、ある世代の物語なのだ。私が生きてきた30年間、私の国は絶えまない戦争の災難に苦しめられてきた。私の世代や若い人たちは、殺戮と追放と占領だけしか知らない。私が母の腕に抱かれていた赤ちゃんの頃、ソビエト連邦が私の国を侵略した。4歳の時、私と家族は、イランそしてパキスタンへと難民として強制移住をさせられた。1980年代の内紛では、100万人ものアフガン人は、私の家族のように追放され、あるいは殺された。結局ロシアが立ち去り、彼らの傀儡政権が転覆された後、今度は堕落した中世のタリバンのルールに従う原理主義者の軍事的指導者たちの非道な戦争に私たちは直面した。

                   2001年9月11日、あの悲劇の日のあと、アフガニスタンの多くの人は思った、タリバンが転覆すると。ついにいくらかの光と、いくらかの正義と進歩が見えたのかもしれないと。しかしそうはならなかった。アフガン人は再び裏切られたのだ、彼らを助けようと主張する人たちに。米国とその同盟国による侵略から七年以上、タリバンのような軍事的指導者たちで溢れる外国の占領とアメリカの傀儡政権に、依然私たちは向き合わされているのだ。冷酷な殺人者たちを軍事裁判にかける代わりに、アメリカ合衆国とその同盟国は権力の座についたのだ。そして彼らは普通のアフガン人を脅かし続けているのだ。












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