演劇集団よろずや「バイバイ」

    2011.12.18 Sunday
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    「演劇集団よろずや」の「バイバイ」を観てきた。
    かつて広島東洋カープに在籍した津田恒美という投手がいた。彼は巨人の原辰徳と直球の真っ向勝負をして原の左手を骨折させたり、二年連続三冠王の阪神バースを直球だけの三球三振に打ち取ったりなどの逸話があり、また空振りを取った時のガッツポーズやその笑顔などで「炎のストッパー」という愛称を付けられた伝説の投手である。しかし、彼は若くして脳腫瘍でこの世を去るのだが、彼を支え続けた野球仲間、姉そして妻との物語がこの芝居で描かれている。

    舞台の真ん中にマウンドがある。他には何もなくシンプルな舞台だ。歓声が大きくなるにつれ会場の照明が消えて真っ暗な闇になる。歓声が最大限になった時、マウンドにライトが当たる。一人の投手が立っている。野球帽を被りグローブは持っているが、よく見るとユニフォームではなくパジャマ姿だ。ゆっくりと高く足を上げ、大きく振りかぶる。筋肉の流れを感じるようなフォームだ。球を投げた瞬間、「ブン」と音がした。「つーちゃん、ここに居たの」と奥さんがいつのまにか横にたっている。歓声は消えていた。「うん」と津田が答える。

    こうやって芝居が始まった。最初から張り詰めた緊張感があり何かそれだけで胸がいっぱいになったような気がした。僕はあまり野球に興味はなく、だから球団や選手のことも何も知らないのだが、そんなことは全く気にはならなかった。野球のシーンは何度があったが、とても躍動感とキレがあり迫力を感じた。そして津田選手の野球にかける情熱や責任感、マウンドの上の男っぷり、そしてマウンドから下りている時の神経質なほどの気の弱さや周囲の人に対する優しさ、それゆえにみんなから愛されていたことが、痛いほど伝わってきたのだ。

    妻と「バイバイ」という台詞が数回いろんな場面で交わされるのだが、それがお互いなんとも可愛らしく、そしてせつなかった。その台詞を聞くたびに「ドキッ」とするのだ。とにかく芝居を観ながら途中、何度も泣いてしまった。特に最後の場面では感極まり、その為にどんな台詞だったのか逆に思い出せない。確か最後には「バイバイ」と言ったような気がしないのだが…、どうだったんだろう。

    芝居が終わった後、目に涙を貯めたまま、鼻水をたらしたまま、物販のコーナーにいた竹田朋子さんに会いに行ったら、爽やかなからっとした笑顔で「噛みまくりました〜」って。人を泣かせといて僕とのこの落差に、さすが女優!と思わずにいられなかった(笑)。寺田夢酔さんにも握手をして頂いた。「予約番号1番です。感動しました!」って。






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