倒電に廃炉

    2011.07.05 Tuesday
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    「東電に入ろう(倒電に廃炉)」(2011年)

    皆さん方の中に
    東京電力に入りたい人はいませんか
    ひと旗あげたい人はいませんか
    東電じゃ人材 求めてます

    ※東電に入ろう 入ろう 入ろう
    東電に入れば この世は天国
    男の中の男はみんな
    東電に入って 花と散る

    スリルを味わいたい人いたら
    いつでも東電にお越しください
    ウランでもプルトニウムでもなんでもありますよ
    下請け使えば平気です

    ※くりかえし

    原発推進派のみなさんは
    原子炉の真下にお集まりください
    いますぐ体に悪いわけじゃありません
    シャワーで洗えば平気です

    ※くりかえし

    原発はクリーンなエネルギーです
    プルトニウムはそんなに怖いもんじゃありません
    放射能出すといっても半減期は
    たったの2万と4千年です

    ※くりかえし

    日本のエネルギーを支えるには
    原子力に頼らないといけません
    多少の被爆はやむをえません
    イソジン飲んでおけば平気です

    ※くりかえし

    使用済みの核燃料はぜんぶまとめて
    ドラム缶に詰めたらだいじょうぶ
    六ヶ所村のプールで冷やしてます
    たったの300年のがまんです

    ※くりかえし

    水が漏れてるけど騒ぐんじゃない
    煙が出てるけどあわてるな
    屋根が吹っ飛んだけど全然だいじょうぶ!
    とにかく塩水で冷やしてます

    ※くりかえし

    今すぐ危険ってわけじゃないけど
    牛乳も野菜も捨てましょう
    政府のおエライさんが言ってます
    補償は税金で払います

    ※くりかえし

    ガイガーカウンタは売り切れてます
    君たちそんなもの持っちゃダメですよ
    放射線の値はこちらで発表します
    信じる者は救われる!

    ※くりかえし






    その日のあとで〜フクシマとチェルノブイリの今〜

      2011.06.29 Wednesday
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      これまで技術先進国の日本ではその日は決して来ないとされていました。絶対に壊れる事はなく安全とされてきた日本の原子力発電所。しかし3月11日地震と津波で全ての電源が失われ原子炉の冷却が出来なくなり、大量の放射性物質を放出する事故が起きたのです。

      枝野:15時30分には596,4もちろん平常時よりは高い数字ですが人体に影響のない程度の水準に下がってきて

      25年前旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で事故が起きました。放射能による汚染は史上最悪の規模になりました。発電所の周囲には人の住めなくなった場所や町が今も残っています。そして今も事故の影響によると思われる病気で苦しんでいる子どもたちが大勢います。

      津村健夫:べラルーシュと同じようなことがこんが日本でも起こるようになるでしょうか。
      ベラルーシの医師:残念ですが繰り返してしまうでしょう。

      その日の後私達の住む世界の様子はまるで変わってしまったように見えます。しかし、この招かれざる災いは他の誰でもなくわたしたち自らが作り出したという事も事実なのです。



      その日のあとで

      フクシマとチェルノブイリの今




      「3月15日」


      この日福島第一原発の2号機で爆発事故が起き4号機でも火災が起きていました。今起きている事態を確かめようと大阪府熊取町にある京都大学原子炉実験所を尋ねました。正門の前で実験所助教の今中哲二さんに出くわしました。

      今中:なんかもう…涙出る…。
      津村:あの、一言だけ今思っていることを。
      今中:もう、もう、チェルノブイリになっちゃった。んー…もう…
      津村:格納容器の底に穴があいた?
      今中:ううん、違う。あのぉ、使用済み燃料がどんどん…あの瞬間私涙出したわ。あれはね、ちょっと、詳細は分かんないけども、格納容器がないからね。使用済み燃料がいっぱいたまっているところで、そこに水がなくて、むき出しだから…そうだったら、もう、チェルノブイリはね…
      津村:4号機のことですね?
      今中:うん、4号機の事。

      海外から来た研究者と会うため外出した今中さんと別れ、今度はその足で同じく実験所の助教小出裕章さんを訪ねることにしました。

      菅:その範囲の外に避難を…

      丁度テレビのニュースが原発から半径20キロから30キロの住民に対して屋内退避の要請が出されたことを伝えていました。

      菅:30劼糧楼呂粒Г気鵑砲郎8紊慮胸厦Г両況を勘案しますと、外出をしないで 自宅や事務所など屋内に待機するようにしていただきたい。

      津村:先生、こういうことで本来、来たくはなかったんですけれども、今起こっているという事をまず教えていただけますか?
      小出:本当に私達が恐れている破局的な事態に向けて、一歩一歩進んでいっているという事態だと思います。
      津村:何が一番問題ですか、今。
      小出:原子炉というのは常に冷やしておかないと壊れてしまうという(電話の着信音)ごめんなさい。こういう状態で。(電話に出る)小出です。

      小出さんや今中さんは原子力の専門家ですが、安全ばかりが強調される日本の原子力開発に警鐘を鳴らしてきました。そして、事故発生以来ひっきりなしにかかってくる電話取材の対応に追われていました。

      小出:今回の場合は地震に襲われまして、まず原子炉が停止しましたので、自分で電気を起こすことが出来なくなりました。外部の電源も止まってしまって、送電が止まって停電になった訳で自分は発電できない。外部からも電気が受けられなくなったという事なのです。東京電力はもともとそういうことを想定していて、そんな事はあるかもしれないと考えていて、そういう場合には非常用のディーゼル発電機を動かして電気を自分でおこすから大丈夫だと言っていたわけですね。ところが今回の場合は津波が同時に襲って非常用の発電設備を全て破壊してしまったわけです。そうなると、自分で発電できない、外部からも電気を得られない、非常用の発電機も動かないということで一切の電気を失ってしまった。そうするとポンプが動きませんので原子炉を冷やすことが出来ない、冷やすことが出来ない原子炉は溶けるしかないということで、一歩一歩溶けるという方向に向かってきてしまっているというのが現在です。

      事故発生から4日後のこの日、3月15日の時点で、東京電力は「炉心が損傷した疑いがある」としていましたが、この時小出さんが指摘していたように、炉心の大半が格納容器内に溶け落ちるメルトダウンの状態ががすでに起きていたことが後になって明らかになりました。

      小出:(取材電話)日本の場合は卓越風が西風ですから、その日し風がずっと吹いていてくれるならば福島から出た放射能は太平洋の方に降っていく訳です。ですから、日本人は助かるという事になる訳で…はい、そうです、そうです。
      小出:(ため息)私が東京電力にエールを送るなんて事態になるとは思いませんでした。
      津村:すごく、こう、逆説的ですね。
      小出:はい。もう、頑張って欲しいです

      「3月22日」

      広島出身の今中さんは原子力開発のマイナス面に着目し、特に、1986年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故に関して専門に研究してきました。

      今中:僕は出来たら来週現地へ測定に行こうと思います。
      津村:福島第一原子力発電所へ?
      今中:そうです。できるだけ近付いて線量を、今現在、事故が始まってから2週間の段階で、周辺の避難されている村の放射線量がどれくらいであるかというのをきちんと測っておく必要があると。実際に入れるかどうかは知りませんけども。そうしますと、私自身の頭の中に チェルノブイリの時の放射線量が頭にありますから、それと比較することによってその事故の規模を僕は、はっきりと示すことが出来るんではないかと。

      「3月28日福島」

      この日朝、今中さんは福島県の飯館村に向かいました。村は緊急避難区域ではありませんが、放射線量の積算量が高くなっている地域が出ています。

      車内:ここから飯館村です。わーわーわ、2.9。2.9?

      福島県の飯館村は今から56年前の1955年飯曽村と大館村が合併して誕生しました。以来、農業の村、肉牛の村として歩んできました。しかし、福島第一原発の北西25キロから45キロの所にある村は、事故後の風向きや雨が災いして放射線量が高い、所謂ホットスポットであることが分かりました。放射能汚染が新聞やテレビで大きく報道され、人口6000人の村は困惑していました。

      菅野典雄村長:飯館村に放射能が回ってきていると、そういう中で農業の村、飯館村が農作物を植えたりしていいのかどうかと…
      役人:一つは原子力発電事故を収束させると…(余震発生)

      この日もまだ余震が続いていました。










      今中:(地図を指さしながら)峠のこっち側で雲が来ている時に雨が降って…どうもそういう説で説明できますから、だから、これがこっちにどの程度まで広がっているのかを押さえましょう、午前中に。

      京都大学原子炉実験所の今中さんらの調査チームは、村内をくまなくまわって空気中の放射線量や土壌の汚染の度合いを調べました。

      今中:23μシーベルト/h
      調査員:23。
      今中:24。
      調査員:うー24!

      日本の法律では一般人の年間被曝の限度は1ミリシーベルト、つまり、1000μシーベルトと決められています。今中さん達が計測した一時間当たり20μシーベルト以上の被曝を一日8時間1年間続けたとすると、年間およそ60ミリシーベルトになります。これは一般人の被曝限度の60倍で原発作業員の年間被曝限度である50ミリシーベルトをも上回ることになります。調査を終えた今中さん達は村長に結果を報告しました。

      今中:役場に入る時に測定器を2種類用意しまして、ポイントポイントで測定したと、それで、午前中はですね…。

      その後今中さんは地点ごとに測定した空気中の放射線量を等高線上のグラフにまとめました。その結果、村の南部では北部に比べて高い放射線レベルが認められました。

      村長:じゃぁ、こっから離れましょうというのは全く簡単なんですが、なかなかそういうところもないので、だから、対応策を、いくらかでも私らが、教えていただければ、できる事も出来ない事もあるんですけど、最大限やっぱりそれをやって村民を守っていくしかないと。
      今中:そうですね。今現在の恐ろしさという意味では、先々になって子どもさん達に癌が出てくる、大人の方も含めて癌が増えるのではないかと、それのリスクがどれくらいですよというのを合理的に説明することだろうと思います。

      25年前に起きたチェルノブイリ事故では、その後周辺地域で子どもの甲状腺癌や白血病が増えたという報告が上がっています。

      今中:僕は涙流すしかないです。あの、ここの今の現状がどうで、どれくらい被曝するだろうという事は僕は言えます。ある程度自分の責任で。それで、移住するとか避難するとか言うのはそれぞれの人の判断ですから僕からは言えません。多分、町長さんはそういう意味では行政は何らかの判断をしなければいけないという非常に苦しい立場だと思います。ですから、我々専門家が出来る事はそういう行政なり普通の人々が判断できるための情報をきちんと出していくという事だと思っています。そのために私は今ここに来ているつもりです。


      「4月13日」

      その後 国は飯館村を計画的避難区域にしました。

      津村:ここはあれですか?避難する場所になってますかね?
      村民:ここは非難すっとこだど。飯館って。
      津村:ああそうですか。
      村民:うん。飯舘村。
      津村:ええっとそれは、みなさん全員避難する?
      村民:今度からなぁ、みんなが非難するようになったのさ。
      津村:いつからですか?
      村民:何時だか分かんないけど、今、きめてんだ。
      津村:え?
      村民:今決めてんだ。今晩集まって相談んだ。


      津村:乳幼児は避難するようにと指示が出ていますけれども、こちらはどういうふうに?
      女性1:若い人だけでも先に避難しようという考えが、今のところ。
      女性2:あたしらはじいちゃんが寝てっから置いてかれねえから。あと身体障害者二人いっから、とても皆とくっついて行かれねえ。
      津村:じゃ、お母さんのほうはいつ?
      女性1:いつって言うか、決まり次第。まだこれからなんですけど。
      津村:家でいろいろ、じゃ相談したり。
      女性2:そうですね、それを始めていますね。
      津村:何が一番問題というか気がかりですか?
      女性1:やっぱり子どもですかね。子どものあれですかね、甲状腺ですかね。
      津村:甲状腺?
      女性1:甲状腺…癌。
      津村:今、子どもさんにはどういう影響が出るというふうに聞いてらっしゃいますか?
      女性1:今すぐではないだろうけどいつかはそういうの出てきたら困るなというのもやはりありますし、それの心配があるから、飯館村からは離れようかなという考えでいますね。

      ♪山麗しく 水清らかな その名も飯館 わがふるさとよ〜♪
      ♪緑の林に 小鳥は歌い うらら春陽に さわらび萌える〜♪
      ♪ああわれら 今こそ手と手 固くつなぎて 村を興さん 村を興さん〜♪

      福島第一原発事故は当初原発事故の深刻さを評価する国際的な尺度でレベル4とされていましたが、その後、チェルノブイリ原発事故と同じ最も深刻なレベル7に引き上げられました。

      「4月25日」

      原子力安全委員会は国の原子力政策の決定に深くかかわってきました。

      斑目春樹委員長:チェルノブイリの場合には30名近い死者を出したし、それから、その後もですね、やはり甲状腺癌の発症率なんかも有為な影響があってですね、あの、人々の健康面に非常に大きな影響を与えた事故であったというふうに認識しています。それに対してですね、今度の事故というのは、少なくても、この事故による死者は絶対に出していないし、我々としてはこれによる人々への健康被害もとにかく最小限に抑える、この点だけはチェルノブイリと今回の事故は、もう絶対に違うんだと、現時点でそう言い切れますけれども。

      確かに放射性物質の放出量はチェルノブイリ事故の7分の1程度だと言われていますが事態の収束は見通せず、放射能は今も出続けています。

      今中:チェルノブイリは原子炉そのものがドカンといって吹っ飛んだみたいなもんだがな、それに比べて今回のやつはやっぱり炉心が溶けてじんわりじんわり放射能が出てきていると。だから、比較的揮発性のヨウ素とセシウムがメインだと。
      津村:チェルノブイリとくらべるしか。
      今中:同じですよ。やっぱりチェルノブイリの迫力と言ったら変だけども、原発が事故を起こしたら周り20キロ30キロにわたって人が住めなくなるよと、そういう事態が生じていますから、基本的におんなじことが起きているんだと思いますよ。

      世界の原子力発電の歴史の中で最悪の被害をもたらしたチェルノブイリ原発事故、放射能で汚染された地域の人々は今どのような暮しをしているのでしょうか。








      「チェルノブイリ原子力発電所 ウクライナ」

      旧ソ連、現在のウクライナの北部べラルーシュとの国境近くにチェルノブイリ原発はあります。1986年の事故以来周囲30キロは立ち入り禁止になりました。発電所から車でおよそ10分。当時大勢の作業員たちが家族とともに住んだこのプリピャチという街も今は廃墟です。現在ここに立ち入るためにはウクライナ政府の許可が必要です。取材班に同行したウクライナ非常事態庁の担当者はかつて発電所の作業員として働き、この街に住んでいたと言います。当時ホテルだった建物の最上階からは発電所が望めます。

      担当者:花にあふれた美しい町でした。自分の住みなれた場所なら誰でもそう思うでしょう。私だけでなく町の住民殆どの意見です。事故後10年位はいつか町に戻れるだろうと思っていました。今はもう誰もがそれはあり得ないと理解しています。


      地面の苔に高い線量が残る。(11.37μシーベルト:ガイガーカウンター表示)

      チェルノブイリ原発事故では現在のウクライナとベラルーシを中心に広大な土地が放射能で汚染され、原発周辺30キロ圏にあった70余りの村や町からおよそ12万人が強制避難させられました。

      「ゴメリ(ベラルーシ)」

      ベラルーシ第二の都市ゴメリはチェルノブイリ原発から北へ150キロの所にありますが、高濃度の放射能に汚染されました。市内の団地に両親と一緒に住むユーリ、22歳です。10歳の時結節性の甲状腺癌と診断され14歳で甲状腺を摘出する手術を受けました。今もヘルチロクシンという薬を毎朝飲んでいます。

      ユーリ:多分チェルノブイリのせいだと思う。最初に胆石が見つかってその後甲状腺癌になって。

      ベラルーシやウクライナでは、チェルノブイリ原発事故の5年後から甲状腺癌の子どもが増え始めた事が分かっています。

      「NPO団体 困難の中の子どもたちに希望を」

      ゴメリで甲状腺の手術を受けた子どもを支援する団体を21年前に立ち上げ、ユーリをはじめ大勢の子どもの面倒を見てきたワレンチーナさんは、チェルノブイリ事故の後に生まれた子どもにも癌などの病気が多いのは、汚染された食べ物などから放射性物質を体内に取り込んで起きる内部被曝が原因ではないかと考えています。

      ワレンチーナ・ポホモワ:食べ物について誰も本当のことを言わないし測定もしていません。店で買い物をする時に尋ねても線量は基準値以下と言われます。でも環境の綺麗なところに住んで綺麗なものを食べていれば、こんな病気にならないでしょう。

      市街地近くの森にはきのこや野イチゴなどに放射能汚染の危険性があると警告する立札があります。しかし、効果はあまりなく安全かどうかは分からない食べ物が家庭の食卓にのぼっていると言います。ユーリは年前からゴメリ市内にある化学工場で働いています。月に200ドル程の収入を得るようになった代わりに、それまでチェルノブイリ事故の障害者としてもらっていた年金がもらえなくなりました。ユーリは「今の仕事に満足している」と話しますが、体調面にはまだまだ不安を抱えています。

      ユーリ:前よりは良くなっていますが病気がちで月に2週間は休みます。
      母:私はそうは思いません、悪くなっていると思います。仕事から帰ってきて何にもできないくらいです。すごく低血圧ですし、横になっているだけです。何と言ったらいいか。

      僕にして下さっている経済的援助に対してあなたのご家族に感謝いたします。僕たちの住むゴメリは春になりました。とても暖かで雪はすっかり溶けました。学校は今春休みです。身体の具合も今は比較的いいです。

      これは7年前ユーリが日本にいる里親にあてて書いた手紙です。日本のチェルノブイリ子供基金という団体が、甲状腺癌になったチェルノブイリの子どもたちを経済的に支援する里親を日本で募りユーリを里子として紹介したのです。大阪府に住む主婦多本ゆき枝さんはチェルノブイリ子供基金を通じて、2003年から2009年まで1か月に50ドルを仕送りしていました。そのおかげでユーリは薬を買う事が出来ました。

      多本:やっぱり、放射能の影響というのは小さい子どもに特に出てくるので、この子が何か悪いことをした訳ではないのに、そういう病気になってしまっているというのはすご気気の毒だなと。3年前に多本さんは長女を授かり家族写真を刷り込んだ年賀状を送ったりして里子のユーリと交流を続けてきました。しかし、今年3月に日本で原発事故が起きて以来複雑な心境でいます。

      多本:彼らはやはり広島長崎の原爆を落とされた状態から復興してきたというのを希望のシンボルのようにとらえていたんです。非常に申し訳ないとも思うんですよね。やっぱり、放射能の恐ろしさというものを知っている国として。で、そういう事になってしまったという事と、チェルノブイリの事故で悲惨なことになっているという状況を分かっていながら日本も同じようなことになりつつあるという状況が残念です。

      ベラルーシでも日本の原発事故による放射能汚染のニュースが一時盛んに報道されました。ユーリはベラルーシで起きたようなことが日本で起きて欲しくないと願っています。

      ユーリ:そんな事になって欲しくないです。自分も長い間辛い体験をして10歳から12歳までの一番楽しい時期を病気で過ごしましたから。

      「子ども健康回復センター“希望21” ベラルーシ」

      ベラルーシの首都ミンスク郊外にある子ども健康回復センター『希望21』は放射能汚染地域に住む子ども達の健康回復を目的に1994年に開設されました。色々な地域からやってきた子どもたちが健康状態に応じた治療や、スポーツ芸術のクラブ活動などを中心に24日間を過ごします。また、このセンターでは子どもたちが身体の中に取り込んだ放射性物質を外に出すのに効果がある食事を提供しています。

      イレーナ:第一にできるだけ汚染されていない食べ物を食べること。それもペクチンが多く含まれてれている物を食べる事です。

      センターに来た時に測った体内のセシウムの値が帰る時には20%減ったケースもあったといいます。子どもたちが汚染地域に帰ってからもできるだけ健康に暮らしていけるように、さまざまな経験を積んで知識が得られるようにしています。

      「チェルノブイリ子供基金」

      東京にあるチェルノブイリ子供基金は、チェルノブイリの子ども達に日本人の里親を紹介する取り組みに加え、子ども健康回復センターの開設当初から子ども達の滞在費用を一部負担するなど経済的な支援をしてきました。

      佐々木事務局長:汚染されていない地区で安全な食べ物を食べたり空気を吸ったりして元気になってもらおうという、そういう事を最初やっていて、それがずっと続いけていて今年で13年目になるんですけれども、2、3年前からは甲状腺癌だけでなくて、いろんな癌の子どもたちが出てきたので小児癌の子どもたちをということで続けています。

      ベラルーシでは3歳から18歳までの子ども165,000人が今も放射能の汚染地域に住んでいます。癌などの病気の発生は汚染地域に多いとされていますが甲状腺癌以外はチェルノブイリ事故が原因と認められていません。国は統計調査を一切公開せず、いわばタブーになっています。

      イレーナ:私達はチェルノブイリの影響はまだ100年続くと考えています。ところが政府や学者たちは住民の被曝は自然放射能によるものだとか、毎年やっている肺のレントゲン検査によるものだと主張しているのです。

      イレーナさんは3月11日以来センターにくる子ども達に日本の原発事故のことをつとめて話して聞かせるようにしています。

      イレーナ:子どもたちはチェルノブイリ事故を思い起こし自分の健康状態についても考えました。つまりフクシマがチェルノブイリと自分の将来について考えるきっかけになったのです。

      津村:日本で3月に地震が起きて原子力発電所の事故が起きた事は知っていますか?
      子ども:知ってます。
      津村:そのことについてみんなどう思いますか?
      子ども:幸せでありますように。
      子ども:これ以上こういう事故が起こらないことを祈ります。









      「4月29日東京」

      この日東京で開かれた講演会は 1000人入る会場が満員になり、なおかつ1000人の人が入場できずに帰ることになりました。京都大学原子炉実験所の小出さんの講演会です。

      小出:原子力発電所というのは今から聞いていただこうと思いますが、とてつもなく巨大な危険を抱えたものです。それを、電気を使う都会には引き受けることが出来ずに過疎地に押し付けて長い送電線で都会に電気を送るという事をやっているものです。それに気が付いたのは私は40年前でしたが、こんな事故が起きる前にと思ってきたのですけれどもとうとう事故が起きてしまいました。今、福島の人達を中心にとてつもない悲劇が進行しているわけで、それを防げなかったという事を なんとも言葉では尽くせない無念さで いま毎日を過ごしています。また、原子力という場に携わってきた人間の一人として 今回の事故を防げなかった責任が私にもあると思います。皆さんに対して本当に申し訳ありませんでした。ごめんなさい。

      福島では学校の校庭を利用する目安として、国が被曝線量の上限を年間20ミリシーベルトにした事に子どもの保護者らから不安の声が上がっています。

      講演の客:一生懸命やってきた人に謝られて、とても恥ずかしくなりました。わたし今まで、子どもがまだ小学生と中学生で、子ども達のために今まで何をしてきたのか。なんか、涙が出そうになっちゃって。自分が何て愚かだったんだろうと反省しました。

      講演の客:やっぱり福島ですよね。戦っている方たちがいっぱい居る中で 東京のこの電力を使っている人たちが一切そういう事に対して何とも思っていないですからね。普通に生活しているけれども、実はそういう人たちが戦っているから、今私達が平気な顔して生きていけるんだというのを、あまりにも知らないってことが辛いですよね


      「5月22日大阪」

      福島第一原発では事故発生以来、原子炉を水で冷やす作業を続けていますが、そのために生じた大量の汚染水の処理をどうするかがまた新たな問題を生んでいます。

      今中:我々、原発は事故が起きるよ事故が起きたら大変だよと言って、彼らは大丈夫だ大丈夫だよという事を言っているわけですけれども、それはあくまでも方便だと、原発を作るための方便だと思っていたんですけれども、どうも、今回の事故を受けて、原子力安全員会の委員長や東京電力などの対応を見ると、原発は絶対に安全だと思っていたふしがありますね。そして突然「想定外」だと言いだすんですけれども「想定外」何て起こるのは当たり前だと…。

      研究者としてこれまでウクライナやロシアで調査にあたってきた今中さんですが、これからは逆に日本で実際に事故が起きてどのようになったかを報告しに行かなければならないと考えています。


      「5月23日東京永田町」

      この日参議院の行政監視委員会の参考人の一人として小出さんが出席することになりました。

      小出:私はもともと政治大嫌いでして、こういう場所に自分で来たいと思った事はありませんけれども、ことがことで、何とか福島の人達の苦難を少しでも減らしたいと私は願いますし、そのために今日の場が役に立つのであればと思って私は来たわけですし
      国会という場、むしろ国家の機関が、私の意見を聞くというような事は原子力の歴史の中では、かつてあり得なかったことだと思いますので。

      「参議院行政監視委員会」

      小出:現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかという事についても大変不適切な対応がわたしは沢山あったと思います。防災というものの原則は危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとって行く、住民を守ると、もし危険を過大に評価していたのだとすればこれは過大だった、でも住民に被害を与えないでよかったと言って胸をなでおろす、それが防災の原則だとおもいますが、実は日本の政府がやってきた事は一貫して事故を過小評価して楽観的な見通しで行動してきました。パニックをさける唯一の手段というのは、正確な情報を常に公開する態度だろうとおもいます。そうして初めて行政や国がが住民から信頼を受ける、そしてパニックを回避するんだと私は思ってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況じゃないという事を常に言いたがるということでした。

      事故から3カ月、これまで原子力を大きな力にしてきた日本のエネルギー政策は見直しを迫られています。

      「ナロジチ地区 ウクライナ」

      ウクライナのナノロジ地区はチェルノブイリ原発から70キロの所にあり、事故によって大量の放射能に汚染された場所です。町には国から人が住んではいけない地域に指定されたところがありますが、およそ3000人が暮らしています。

      津村:ここは安全なんですか?
      町民:放射能はあちこちに広がってしまったからねぇ。私達はもう順応していますよ。
      町民:どこから来たの? 日本からねぇ。お互いに大変ねぇ。今日本でもこっちみたいな事が起こっているんでしょ。いいことは何もないねぇ。いいことは何も言えやしないね。

      畑一面の菜の花の中で調査をしているのは国立ジトーミル農業生態学大学ディードフ准教授とその教え子の学生たちです。放射能に汚染された土地に菜の花を植えることで土壌を浄化する実験に取り組んでいます。ここは国から作物を植えてはいけないとされていますが特別に許可を得ています。

      ディードフ准教授:どんな作物でも基本的には土壌にあるセシウムやストロンチウムを吸収します。特に菜種は土壌の栄養分を多く吸収する性質があるのでそれに比例してセシウムやストロンチウムも吸収するのです。

      2006年に名古屋にあるNPO団体チェルノブイリ救援中部がアイディアを出し、この菜の花プロジェクトをディードフさんやナノロジ町の人達と協力して立ち上げました。収穫した菜種は油を絞ってバイオディーゼル燃料として使う事が出来るのです。

      津村:放射能はどっちへどこに行くんですか?
      ディードフ:種子を加工するプロセスで放射性核種の大半はこの搾りかすの方に入ります。油にはほとんど入りません。入ったとしても1キロあたり5〜7ベクレルです

      絞った油はこの機械でバイオディーゼル燃料に加工され、今実際に菜の花畑で使っている耕運機などの燃料になっています。この機械は日本の援助で送られました。


      竹内高明(チェルノブイリ救援中部):この装置自体は菜の花プロジェクトを考案した段階で、すでにサイクルの一つとして入ってたわけです。ですので、何故こういうものを送ったかという事は、何故菜の花プロジェクトをやり始めたかという事になる訳ですけれども、この地区の主要産業というのは農業ですので、そうした時に汚染されている農地の汚染を軽減できないかという事とエネルギーの自給という事もある程度できないかという事を考えて、
      それがひいては地域の復興にならないかと。

      飯館村などで「菜の花プロジェクト」のようなことが出来ないか、日本の農水省が4月の末に視察に訪れディードフさんにも話しを聞きました。

      ディードフ:日本には水田がありますね。汚染された水田では土壌の一番上の層を取り除かないと稲作がほとんどできなくなります。その代わりに汚染された水田に食用ではない菜種を植えることが出来るのです。我々の経験が役に立つならサポートします。

      チェルノブイリ事故から25年、3月11日という日は日本の歴史に深く刻み込まれることになりました。その日を境に日本の立場は支える側から支えられる側に変わってしまいました。ストロンチウム90の半減期は28.8年、セシウム137は30年、プルトニウム239にいたっては半減期が2.4万年です。チェルノブイリ事故が21世紀に贈られた負の遺産だったように、フクシマが後々まで受け継がれる負の遺産であることは疑いようもないのです。





      「チェルノブイリ: 百万人の犠牲者」ジャネット・シャーマン博士のインタビュー

        2011.06.26 Sunday
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        http://www.universalsubtitles.org/ja/videos/zzyKyq4iiV3r/
        上記のサイトでは字幕つきでみることができます。
        YOUTUBEでは字幕がないので、下記にその字幕を掲載します。
        標準サイズのフォントが、司会者カール・グロスマンで、大きなフォントがジャネット・シェルマン博士です。


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        次は環境クローズアップ「チェルノブイリ: 百万人の犠牲者」です。ようこそ、司会のカール・グロスマンです。2011年4月26日はチェルノブイリの事故よりまる25年になります。その一方 世界中の原子力業界は再興を図っています。この重要な本が出版されました。「チェルノブイリ〜大惨事の環境と人々へのその後の影響」について取り上げていきます。この本は公開された医学的データに基づき事件の起きた1986年から2004年までに98万5千人が亡くなったとしています。そしてその死者数はさらに増え続けています。スタジオにはジャネット・シェルマン博士をお迎えしています。ジャネット博士はこの本の寄稿者であります。共著はベラルーシのアレクシー・ヤブロコフ博士 バシリー・ネステレンコ博士 そしてアレクシー・ネステレンコ博士です。ようこそジャネットさん。チェルノブイリ原発事故の死者は100万人ということですが、死因は何でしょう?

        癌、心臓病、脳障害や甲状腺ガンなど死因はさまざまでした。何より多くの子供達が死にました。胎内死亡 又は生後の先天性障害です。

        科学者たちが98万5千という死者数を特定した方法は?

        これは公開されている医学的データを基にしています。

        原子力を規制・奨励する国際機関である国際原子力機関(IAEA)はチェルノブイリの死者数を約4千人とホームページで発表しています。これは本に発表されている98万5千人と大きく異なるのはなぜでしょう?

        IAEAが発表したチェルノブイリフォーラムという調査書は350の論文に基づき英文で公開されている資料でしたが、ヤブロコフ博士とネステレンコ博士たちは5千以上の論文を基にしています。それは英文の論文に限りません。また実際に現場にいた人達の声を基にしています。現場にいたのは医師、科学者、獣医、保健師など地域の人々の病状を見ていた人たちです。

        この本によりますと 世界保健機構(WHO)でさえチェルノブイリの真実を語っていないと批判していますね。WHOはIAEAと協定を結んでおり発表することができないとのことですが、それについて説明していただけますか?

        1959年に結ばれた協定は それ以来変わっていません。一方がもう一方の承諾を得ることなしに調査書を発表することを禁じています。WHOはIAEAの許可なしには調査書を発表できないのです。

        IAEAは世界中の原子力の規制だけではなく原子力の促進を行う機関でもありますからね。当然。WHOに「原子力は健康に有害だ」と言われては困るわけです。

        そのとおりです、こうした協定は終結すべきです。協定は破棄されるべきです


        さて毒物学者として、研究に生涯を捧げておいでのあなたが今この本の編集をされている中、あらゆる科学的なデータをみた上でチェルノブイリの犠牲者数は100万人と仰る。これは科学技術による史上最悪の事故ということですね。

        そのとおりです。

        データを読み取り 本を編纂された時の感想は?

        事態は私が思っていた以上に深刻でした。人々が癌や心臓病で命を落とすだけでなく、体中のすべての臓器が害されて、免疫機能 肺 眼内レンズや皮膚などすべての器官が放射能の悪影響を受けたのです。しかも人間だけではありません 調査した全ての生き物、人、魚、木々、鳥、バクテリア、ウイルス、狼や牛など生態系のすべてが例外なく変わってしまいました。

        そのことがこの本に書かれてあるんですね。

        人間への影響にとどまらず、鳥や動物にも人間と同様の悪影響がありました。

        今となっては癌と放射能の関係はわかりますが、心臓病はどうして起こるのでしょうか?
        私がこの本を編集するときに気付いた重大なことの一つですが、バンダシェフスキーという科学者は、研究で子供達の体内に蓄積されたセシウム137の量が実験動物と同じ値になっていることを発見し、それが心臓にダメージを与えていることに気づきました。この研究結果を発表したことで彼は刑務所に収監されてしまいました。

        刑務所に収監されたんですか?

        そうです。

        彼は動物実験をしたんですか?

        病理学者だった彼は、まず動物実験を行ってから、子どもへの影響を調べようとしました。その結果亡くなった子供たちの心臓に蓄積されたセシウムの量は動物の場合と同じでした。これを発表したために逮捕され刑務所に収監されました。

        チェルノブイリからの放射能によってロシア、ベラルーシ、ウクライナは高濃度で汚染されましたが、この本によればそれどころか世界中に拡散したと書かれていますね。

        そのとおりです。放射能がもっとも集中したのは前述の三国ですが最大量の50%以上は北半球全体に行きわたったのです。特に北はスカンジナビア 東はアジア圏へと。

        中国までもですね?

        そうです

        チェルノブイリの事故による死者は近隣国だけでなく、もっと広いエリアで見られたということですが。

        もちろんそうです、世界中です。

        この悲劇はいつまで続くのでしょうか?放射性物質が浄化されるには千年はかかるでしょう?

        もちろん。セシウム137及びストロンチウム90だけでも半減期は30年、少なくとも3世紀は残ります。多くの同位体が千年残るはずですので、おっしゃる通りです。


        この本には最大の被害が起きたのは最初の数ヶ月 もしくは数週間と強調していますが、とてつもない大火事が起きていた時のことですね?

        はい。今でも原子炉から水道へダダ漏れしています。今も原子炉の周りの構造も安全ではありません。もし小地震でもあれば建物が崩壊する可能性もあります。原子炉は安全に覆われ漏れてはいないとは言えません。

        チェルノブイリの真実を語るこの本は、権威あるNY科学学会によって発行されましたね
        科学の専門機関はこれ以外にもあるわけでしょうが、チェルノブイリの情報を外に出すことについて彼らの立場はどうなっているのでしょうか?

        情報を外に出すことに好意的なグループもあり、原子力御用学者と組み合い、どの様な内容が書かれていたのかは明らかではなかったようです。

        著者のヤブロコフ博士とネストレンコ博士たちは、チェルノブイリの影響を調べる為にあなたとどのように取り組んだのですか?

        彼らはWHOとIAEAの協定の事を前から知っていました。実はジュネーブのWHO本部の前で一日中、協定を抗議するデモを行っている人々がいます。

        この方々がデモを行っている人達ですね。

        そうです。

        この本にはIAEAとWHOの「談合の協定」と呼んでいますね。

        チェルノブイリの件でヤブロコフ博士は、ゴルバチョフとエリツィンの補佐を務めていました。事故直後の3年間、ソ連政府は情報の隠蔽を続けていましたし、一般に真実を知らせまいとデータ収集もしませんでした。ヤブロコフ博士はそれを知り、情報収集を始めました。出版された論文の数は15万以上でしたがこの本の執筆には5千点以上が使われました。これらの資料は英語に訳されたことが無く、ほとんどがウクライナ語、ロシア語、ベラルーシ語の論文でした。こうした情報が西側世界の目に触れるのは初めてです。

        人、動物、植物への影響について違いはなんでしょうか?

        メカニズムは同じです。放射性同位体に汚染されると、人、鳥や動植物が受ける影響は細胞が破壊されダメージを受けるということです。DNAへの損傷をもたらし、遺伝メカニズムがダメージを受けるという点で同じです。細胞を破壊するのであれば癌にはなりませんが、細胞にダメージが与えられると癌になります。もしくは先天性障害の原因となります。人や鳥だけでなく植物にさえ先天性障害が出ます。チェルノブイリのせいで植物にも変異が起こりました。

        風の影響で北西が被害を受けたとのことですが、チェルノブイリや原子力とはまったく無縁だったスカンジナビアのラップランドの人々でさえも雨などによる放射性物質拡散で余波を受けました。こうした事後的影響については?

        最近の研究によるとチェルノブイリ事故当時に生まれたスカンジナビアの子供は高校を卒業する割合が低いようです。知的能力に影響が出たのではないかと思います。私が知る限りのチェルノブイリの最悪な影響は健康と言えるベラルーシの子供はわずか2割だということです。つまり8割のベラルーシの子供達はチェルノブイリ事故以前のデータと比べると健康でない状態だということです。医学的に健康でないだけでなく知的にも標準以下となってしまっているのです。

        知的能力の低下と放射能の関係について教えてください。

        妊婦たちが食べる物の汚染については、きちんと知らされていない場合が多かったようです。または汚染されていない食べ物が手に入らなかったんです。妊娠中に放射性同位体が体内に入ると、母体を通じて胎児に届き、心臓、肺、甲状腺、脳とすべての細胞 免疫系統にもダメージを与えたのです。こうした子どもたちは未熟児で生まれつき健康状態が悪く、死産の率も非常に高く、これは被曝がもたらした結果です。人間の文化に起こりうる最悪の悲劇です。

        チェルノブイリの原発事故があったウクライナは旧ソ連の一大穀倉地帯でした。チェルノブイリ原発の3機の原子炉は今でも運転中です。そこでとれた食べ物はあちらこちらへと出荷されました。

        はい。これはきわめて深刻な問題です。数百年間も土壌汚染が続く中、どの様にして人々に食料を賄っていけばよいのでしょうか?しかも小麦やライ麦などの穀物だけでなくマッシュルームも汚染されています。重要な食料と思えないかもしれませんが、この地域では広く流通する食材で非常に高濃度で汚染されています

        本は医学的データに基づき 死者数は98万5千人と結論づけました。けれども、このデータは1986年から2004年までのもので番組のはじめに「100万人の犠牲者」という言葉を使いましたが、やはりチェルノブイリの犠牲者の数はその位になりますでしょうか?

        そう思います。やがてその莫大な規模が知られることでしょう。例えば「清算人」と呼ばれた人たちがいました。近隣諸国から主に軍より召集された若き男女でした。火災を消火し、問題の原子炉を封印する仕事をさせられました。その15%が死亡しています。この人達は18〜30歳位の若い男女だったのです。

        原子炉から放出された放射性物質の数量ですが、これにつきましても本が記す数値と公式発表された数値に大幅な違いがありますね?

        まったくです。もし放出されたのが少量だったならば低レベルの放射性物質は極めて危険だということですし、もしそれが大量に放出されたのだったら、その甚大な被害の規模をみなければなりません。しかし私達はいまだに真相を知らないのです。なぜなら、原子炉に残されているものは何か、地下水に漏れ出しているものは何かを実際に現場へ行って確かめる事ができないからです。

        原子力の安全性はどういうことになりますか?原子力産業、原子力関係の組織は大抵、政府系の機関だったりするもので、原子力「ルネサンス」の再興を押しまくり、原発をもっと建設しようとしていますね。チェルノブイリ原発事故の教訓は?

        私が思う教訓とは、技術を促進する前に慎重に考えることだと思います。例えばBP社によるメキシコ湾の石油採掘については何の問題もないと私たちは聞かされていました。一つの問題として技術者たちは技術に関する事については分かりますが、彼らは生物学をよく理解していません。彼らは設備周辺にある生物生命に与える影響を理解していません。チェルノブイリ事故の最大の教訓は、汚染されたすべての生物に影響を与えたことです。例外はないのです。

        本には梟(フクロウ)の事も書かれていましたね。動物への影響についても少し詳しくお願いします。

        本のカバーの写真を撮った南カロライナ大学のティム・ウーソールさんは25人以上の科学者をチェルノブイリ現地に連れて行き、昆虫、鳥、ふくろうとあらゆる動物を調査しました。現地調査をしている時 突然ミツバチがいないことに気づき、木の実が落ちていないことにも気づいたと言ってました。実がないのは花粉を運ぶミツバチがいないからです。現実になったいるかもしれない彼の予想ですが、今だに崩壊し続けている放射性同位体によって、チェルノブイリ周辺の生命体がすべて失われた可能性もあるこという事です。すべての種を絶滅させるかもしれないのです。そこは渡り鳥の主な飛行ルートです。渡り鳥が来た後どうなっているかわかりませんから、土壌にある物を何でも食べてチェルノブイリを飛び立って行きます。食べた小果実が糞となりチェルノブイリ以外の場所で排便されているはずです。

        放射能は遺伝子に甚大な影響を与えるのですよね?それについてはどうお考えですか?

        これは改善する見込みのない話です。一度遺伝子が損傷を受けると何世代にも引き継がれます。ですから、こういった損傷が人、鳥や植物の遺伝子に起きていてそれぞれの種が増進することは無いでしょう。

        具体的にどの様な遺伝子損傷のことですか?

        脳や心臓、肺への影響、腕のない子供、水頭症の赤ちゃんです。鳥の場合は羽毛とくちばしの変化、脳の大きさなどがあります。これらの鳥はあまり利口ではなく、汚染されていない鳥に比べそれほどよく生きていません。植物も永久的に変ったのも分かっています。難しいことではないのです。放射性同位体の行き先は明らかです。ヨウ素は甲状腺に、ストロンチウムは骨や歯に蓄積します。特に胎児に影響が及びます。セシウム137は心臓と筋肉に蓄積されます。これは謎などではありません。これを知っている為、どんな悪影響がでるのかを予測できます。そして結果はまさに予測通りであり、それを本で証明しました。

        「チェルノブイリ事故による犠牲者はわずか数千人」とよく引用されて聞きますが、これは史上最大の嘘の一つですよね。

        はい、追及もされずに逃れています。私たちはWHOと国連に圧力をかけねばなりません。WHOとIAEAを分離させることです。

        WHOとIAEAのみならず、ここ米国の原子力規制委員会もまた放射性物質の影響を過小評価しようとしていますね。

        全くその通りです。私は原子力規制委員会の前身であった原子力委員会(AEC)で働いていました。それはカリフォルニア大学内で1952年のことでした。新卒で働いていました。当時の私の限られた教育と経験でも、他の人が思っているより放射能は危険だとわかっていました。放射能のもたらす害については米国民に対しても何十年間に渡り、秘密と嘘で騙されていました。隠蔽及びデータの書き換えが行われ、多少の放射能なんか大丈夫だと吹聴されました。しかしデービスベッセ原発所ではメンテナンス不足の為、炉心が格納容器の中で溶けだすところだったことがわかっています。米国でなくとも世界のどこかで再び原発事故が起こるのは時間の問題だと信じています。

        50年以上も原子力産業に携わってきたあなたがなぜその様な事を言うのですか?それはお金のためですか?それとも技術を推進する為ですか?原子力産業の関係者はなぜ嘘やごまかしをするのでしょうか?

        複合的な要因があるでしょう。金や原子力を促進する企業による支配もそうですが米国の人々はあまりにも原子力について無知です。生物学を全く理解していない学者がいます。町で20人の人を集めて「肝臓に手を当てて!」と言っても
        できる人は半分もいないと私は賭けますよ。放射能の害についての教育を考えると現在の米国はあまりにもお粗末で、子供達は生物・物理・化学を学んでいない。原子力が米国の文化、経済に占める位置は大きいのに。


        チェルノブイリの影響を表すデータを見る上で数十年前のご経験は役に立ちましたか?

        もちろんです。放射能が与える悪影響につきましては、もう何十年にも渡り広く知られています。ここ数年間で突然明らかになったことではありません。物理を少しでも知っている科学者なら誰でも放射性同位体が人体、植物又は鳥のどこに入っていくか位はわかるはずです。謎の科学ではありません。

        チェルノブイリの犠牲者が100万人というとき、テクノロジーの歴史や、その現場にとって何を意味しますか?

        技術だけに頼るのは間違いだということです。それを設計・操作する人間にも頼るべきでもない。なぜなら最終的にチェルノブイリ事件の様なミスを起こすのは人間だからです。

        健康への影響は大規模ですね。

        そのとおりです。北半球全域にわたります。

        放射性物質の降下地点で人々は死んでいます。

        死ななければ、子どもたちは知的・医学的障害をもって生まれてきています。これがいまだに続いており、まだ終りではないのです。

        この本はどこで手に入れることができますか?

        私にメールをください toxdoc.js@verizon.net です。

        チェルノブイリ事故で何が起きたのか、人々が真実を知ることがとても重要だと思います。貴重なお仕事に感謝します。私カール・グロスマンがお送りしました。ごらんいただきありがとうございました。www.envirovideo.com にどうぞお越しください。

        収録を行ったのは2011年3月5日でした。日本の福島原発大惨事がはじまる6日前です。チェルノブイリそしてこの日本の悲劇の教訓は、すべての原発を停止するべきだということです。原発は明らかに地球上の生命に危険をもたらしています。二度と新たな原発の建設をすべきではありません。原子力への税金を使った補助金をやめにすべきです。効率のよいエネルギー政策にただちに転換し、すでにある風力・地熱・太陽光など安全でクリーンな技術をフルに回転させるべきでしょう。死を招く原子力は完全に不必要なものです。






        京都でも年間1mSV超えてますが…

          2011.06.25 Saturday
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          http://www.ustream.tv/channel-popup/point-01


          京都までなんでこんなに放射線量が高いの?
          時間によっては年間1.6mSVぐらいまであがってる…。

          あ、だから皇居は奈良に引っ越しなのか…



          若狭湾原発大震災

            2011.06.25 Saturday
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            6月18日に石橋克彦先生の講演会に行ってきた。初めにアイリーン・スミスさんが挨拶をされた。その中で「これが最後の警告です」という言葉にドキリとさせられた。

            若狭の原発は本当に危ない。35年以上の老朽化した原発が日本全国に10基あるが、そのうちの5基が若狭にある。若狭湾周辺はアムールプレート東縁変動帯の地震活動帯で、活断層が密集している。1662年、1891年、1927年にM7以上の大地震が発生していて、大津波もあったらしい。だから、若狭に大地震が発生する可能も高いのだろう。

            昨日も「もんじゅ」の
            炉内中継装置(3・3トン)本体の撤去が行われたばかりで、もし空気に触れるような失敗などをしていたら、福島原発以上の災害になっていただろう。そんな危険性があったにも関わらず、世間は静かなものだった。そんな大変な作業が行われていたことも知らない人がたくさんいたことだろう。

            今回の作業で17億5千万年かかったらしい。もんじゅは維持費だけでも1日5500万円だそうだ。どんなけ湯水のようにお金を使っているのだ。東北の被災地の方にはたった十数万円程度の義援金さえ届いていないというのに。

            とにかく原発などいっさいいらない。若狭にも何処にも。なにひとつ良いことがない。嘘をつきながらの運転はやめよう。電気は原発がなくても足りる。原発の電気料金は高い。原発はCO2を排出する。ウランは石油よりも埋蔵量が少ない。原発はどんなに厳重に作っても安全は保証できない。そして原発が生み出す核廃棄物は何万年も地球に人類に悪影響を及ぼし続ける。なんでこんな簡単なことがわからないのだろう。




            纐纈あやさんの決意

              2011.06.25 Saturday
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              6月11日に神戸で講演会があり、「祝の島」の監督の纐纈あやさんと小出裕章先生がお話をされました。その時の最後に、纐纈さんが締めの言葉として話をされたのが、とても素晴らしく感動的でした。YOUTUBEではその部分がカットされているので、下に文章で残しておきます。

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              小出先生のお話を聞いてその一言一言から全身全霊をかけてお仕事をされているということを感じました。震災の時は私は東京に居たのですが、本当に怖くて家の外に出たくない出られない、仕事もしたくないという気持ちでいっぱいでした。マスコミから聞こえてくるものも政府が発表する内容も、一番必要な言葉は何一つ語られませんでした。でもその時にある言葉を思い出しました。

              本橋監督が「ナージャの村」という映画を撮るきっかけになった汚染地域にたった一人で住み続けているナボーキンさんというお爺さんが居るのですが、その彼にどうしてこんな所に住んでいるのかと聞きましたら、怪訝そうな顔をして「人間が汚した土地だろう、何処へ逃げろと言うのだ」と答えたそうです。それ聞いて本橋監督はハンマーで頭を殴られたような気持ちになって、映画を撮ることを決意したそうです。

              そのナボーキンさんの言葉を私は思い出したのです。その瞬間に私は恐怖から解放されたような気がしました。私はまだ独身で、できることなら家庭を持ち、子どもが授かればいいなと思っていたので、自分の体のことも含めて、とっても恐怖があったのです。でも、彼の言葉を思い出したときに、自分の子どもを残すということよりも、今いる子どもたち、そしてこれから生まれてくる子どもたちのために、自分の命を惜しみなく使いたいと本当に素直に思いました。そして今日、小出先生の言葉を一言一言聞きながら、本当に勇気が湧いてきました。

              私自身これから何ができるか、でも、それは私が死ぬまで一生追い続けていかなければいけない責任だと思っています。祝島の方たちの応援をずっとしていくのと同時に、福島の方たちとどういうふうに繋がっていくか、自分の命と隣の命を同じように大切にして、自分ができる精一杯のことをしていきたいと思っています。



              25年後の日本

                2011.06.17 Friday
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                悔しいかな哀しいかな25年後の日本はおそらくこのようなことになる。
                事故による汚染は広がる一方で為す術もないのではないか。
                いや、ベターな方法はあったにも関わらず、
                信頼できる筋の専門家の話など耳を傾けようとしない政府。
                嘘に嘘を重ね、助かるべき人まで放射能で汚れてしまって、もう何を信じたらいいのやら。






                さようなら原発 1000万人アクション
                http://www.peace-forum.com/no_nukes/


                せめて署名でも…



                「20ミリシーベルト基準」撤回を〜福島の父母らが文科省に要請行動

                  2011.05.24 Tuesday
                0

                  〜今だから考えたい〜 原発のこと 未来のこと

                    2011.05.21 Saturday
                  0
                    5月2日の政府交渉で、佐藤さんが政府の人に「食べなさいよ」と
                    差し出した放射能まみれの福島の土である。
                    知人から掲載を頼まれたので、ここに貼り付ける。







                    しかし、大阪にももちろんやってきておりますな。

                    半減期が約30年のセシウム137は同7・9メガベクレルを検出。1986年のチェルノブイリ原発事故や過去の核実験で世界中に放射性物質が拡散したとさ れる影響で、セシウム137はこれまでも府内で検出しているが、最近5年間では最大でも1カ月あたり0・05メガベクレルで、今回はこの約150倍にあた る
                    上記はasahi.comの5月20日の記事。
                    ってことは琵琶湖にも降り注いでいるということで。
                    「健康に影響はない」という言葉など信用していいやらどうやら。
                    着実に内部被曝をしていっているということではないだろうか。
                    ま、50歳を超えている僕にはもうどうでもいいことだが
                    30代より若い人、特に乳幼児や妊婦さんは、ほんまにこのままでええんか?

                    今日、奈良で小出裕章先生の講演を聴いてきた。
                    300人の会場は満席で立ち見の人までいた。

                    講演が始まる前に声をかけさせて頂いた。
                    「お体は大丈夫ですか?」
                    「疲れています」
                    「毎日、講演会ですか?」
                    「いえ、平日は自分の仕事がありますから。
                     土日は全部つまっています。」

                    聞くところによると、来年の3月まで土日のスケジュールはすべて詰まっているそうだ。
                    どうかお体を大事にして頂きたい。

                    小出先生のお話はもう何度もお聴きしているが、
                    一番前の席で復習のつもりでメモをとりながら真剣に聴いた。
                    少しは頭に定着できただろうか。

                    「一人ひとりが決めること」
                    自分の加えられる危害を容認できるか
                    あるいは、罪の無い人に謂れのない危害を加えることを見過ごすかは
                    誰かに決めてもらうのではなく
                    一人ひとりが決めること

                    この小出先生の言葉を、反芻している。



                    福島原発事故「20ミリシーベルト」撤回署名第2弾

                      2011.05.08 Sunday
                    0
                      すごいですね。
                      前回の署名は5万人を超えたんですね。
                      それでも文科省はまだ20ミリシーベルトの基準を取り下げない・・・。
                      第2弾の署名だそうです。
                      応援しましょう!


                      〜〜以下転送.転載歓迎〜〜〜
                      (No Nuke MLからの転送)

                      20ミリシーベルト撤回に向けては、1,074団体および53,193人の連名を頂き、ありがとうございました。みなさまの声を後ろ盾にした政府 交渉では、政府のさまざまな矛盾が浮き彫りになってきています。グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパン、原子力資料情報室、フクロウの会、美浜 の会、国際環境NGO FoE Japanでは、撤回に向け、さらに要請行動を続けていきます。下記のように、署名活動、第2弾を開始いたしました。今回は、子どもたちの被ばく最小化に むけた要請も入れ、県内の取り組みも応援したいと思っています。20ミリ、撤回させましょう!引き続き、皆様のご協力がいただければ幸いです。

                      <拡散希望! 第1弾でご署名いただいた方も、ぜひ改めてご署名ください>
                      --------------------------------------------------------------------
                      福島原発事故「20ミリシーベルト」撤回委署名第2弾
                      子ども「20ミリシーベルト」基準の即時撤回および被ばく量の最小化のための措置を求める緊急要請
                      --------------------------------------------------------------------
                      署名はこちらのサイトから
                       http://blog.canpan.info/foejapan/archive/19
                      要請のPDFバージョンはこちら
                       http://dl.dropbox.com/u/23151586/petition_20mSv_part2.pdf
                      --------------------------------------------------------------------------
                      私たちは、福島の子ども達を放射能から守るために、日本政府に対し以下を要請します。

                      1.4月19日に文科省が示した学校等の校舎・校庭等の「20ミリシーベルト基準」の即時撤回および現行の1ミリシーベルト基準の維持(注1)

                      2.子どもの被ばく量を最小化するためのあらゆる措置を政府の責任で実施すること。また、自治体や市民団体、個々の市民自らが被ばく量を低減させるために実施する、除染・自主避難・疎開などの自主的な取り組みが円滑に進むよう、最大限の支援を行うこと

                      3.内部被ばくを考慮に入れること

                      4.屋外で3.8マイクロシーベルト/時以下になったとしても、モニタリングを継続すること(注2)
                      --------------------------------------------------------------------------
                      【背景】
                      4月19日、文部科学省は、学校等の校舎・校庭等の利用判断における放射線量の目安として、年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会 や関係機関に通知しました。この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相当すると政府は示しています。これは以下の点で、極めて 憂慮すべき基準です。

                      ・3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量である
                      ・20ミリシーベルト/年はドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当する
                      ・原発労働などによって白血病を発症した場合の労災認定基準は、5ミリシーベルト×従事年数である (注3)。実際に白血病の労災認定を受けているケースで、20ミリシーベルト/年を下回るケースもある。
                      ・本基準は、子どもの感受性の強さや内部被ばくを考慮に入れていない
                      ・本基準により、子どもの被ばく量を低減するための取り組みをやめてしまった学校も多い
                      ・3.8マイクロシーベルトを下回った小中学校・幼稚園・保育園・公園におけるモニタリングが行われなくなった

                      【高まる撤回を求める声】
                      20ミリシーベルト撤回を求める要請第1弾では、61か国から1,074団体および53,193人の電子署名が集まり、5月2日に日本政府に提出されました。日本国内外の怒りの声が結集した結果を生みました。また、海外の専門家からも多くの憂慮の声があげられています。

                      【政府交渉で明らかになったこと】
                      20ミリシーベルト撤回に向けて、5月2日に行われた政府交渉では、政府側からは下記の発言が飛び出しました。すでに「20ミリ」の根拠は完全に崩れています。

                      ・原子力安全委員会は、「20ミリシーベルト」は基準として認めていないと発言。また、安全委員会の委員全員および決定過程にかかわった専門家の中で、この20ミリシーベルトを安全とした専門家はいなかったと述べた。

                      ・原子力安全委員会が4月19日に示した「助言」(20ミリシーベルトは「差し支えない」)は、助言要請から2時間で決定されたが、決定過程においては、正式な委員会も開催されず、議事録も作成されなかった。

                      ・原子力安全委員会は子どもの感受性の高さに鑑み、大人と区別する必要があると発言したが、それに対し、文科省は区別する必要はないと発言した (注4)。

                      ・厚生労働省は、放射線管理区域(0.6マイクロシーベルト/時以上)で子どもを遊ばせてはならないと発言したものの、放射線管理区域と同じレベルの環境で子どもを遊ばせることの是非については回答しなかった。

                      ・原子力安全委員会は内部被ばくを重視するべきだと回答しているが、文科省はシミュレーションで内部被ばくは無視できると結論した(注5)。しかしこのシミュレーションの根拠は、示されていない。

                      以上のことから、私たちは、改めて、20ミリシーベルトの撤回とともに、子どもの被ばく量を最小化するためのあらゆる措置を行うことを要請します。
                                                    以上

                      呼びかけ団体:グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパン、原子力資料情報室、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、国際環境NGO FoE Japan

                      (注1)現状、超えている場所については、あらゆる手段を使って、低減に努めるべきである。

                      (注2)福島市防災情報サービス「屋外活動制限対象小学校等の環境放射線測定結果」および平成23年5月1日付「福島県環境放射線再モニタリング調査結果について」によれば、2度連続して基準を下回った学校等では計測が中止されている。
                      これは、「3.8マイクロシーベルトを下回ればよいということではなく、モニタリングにより、状況を把握していく」とした5月2日文部科学省・原子力安全委員会の答弁と完全に矛盾する。

                      (注3)労働省労働基準局(基発810号)「電離放射線に係る疾病の業務上外の認定基準について」。被ばく量の「相当量」について、解説の第2の5番で、白血病の場合は0.5レム(=5ミリシーベルト)×従事した年数としている。

                      (注4)文科省は、この理由としてICRPも区別していないとしたが、実際は、ICRPのPub.36「科学の授業における電離放射線に対する防 護」(1983年)では、18才以下の生徒が実験などで被曝する可能性がある場合を想定して、一般人の被ばく限度の10分の1にすることを勧告している。

                      (注5)両者とも食物による被ばくは考慮していない。

                      ※本要請への署名は20ミリシーベルト基準が撤回されるまで当面継続し、文部科学省、厚生労働省、原子力安全委員会、原子力災害対策本部、その他対政府交渉などの機会に提出させていただきます。

                      ※署名に参加されるとともに、地元選出の国会議員に対して、本要請に対して連名し、国民とともに「20ミリシーベルト」「子どもの被ばく最小化」を求めていくよう、働きかけをお願いします。

                      問い合わせ先:国際環境NGO FoE Japan
                      E-mail: finance@foejapan.org

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